エアコンの年間電気代表示を検証する。

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エアコンの年間電気代とは、JISC9612 付属書3に基づき算出された「期間消費電力量(kWh/年)」に「新電力料金目安単価の22(円/kWh)」を乗じ、有効数字3桁(10円未満は四捨五入)で表示したものです。

  年間電気代(円/年)= 期間消費電力量(kWh/年)×22(円/kWh)
*お住まい地域によって補正する必要があります。補正値はこのブログ記事の後半をご参照下さい。


(以下は、エコストプラススタッフによる分析です)
年間電気代とは、一年間にエアコンを使った時にかかる電気代を表します。意味は字の通りですが、どういう条件で計算しているのかが問題となります。



まず、電気代の単価が1kWhあたり22円というのは、電力会社にも依りますが、第3段階での単価とほぼ同じです。(社)全国家庭電気製品公正取引協議会という所で定義した電力料金目安単価なのでこれで良いと思います。(勿論、電力会社からの請求には、基本料金、燃料費調整額、消費税がさらに加わります。)

期間消費電力量についてですが、エアコンの使い方は人によって様々です。24時間つけっぱなしの人もいれば1時間だけ使う人もいるでしょう。また、どの部屋のエアコンかによっても使い方は変わるでしょう。

製品の能力を測るためには一つルールを決めて、みんなで同じ土俵に上がる必要があります。そこで、JIS規格(JISC9612)によって一つの使い方を決めて1年間の消費電力量を測って各メーカーで表示するようにしています。

この条件を簡単に示すと、
計測場所:東京都内、木造住宅(南向き)の一室。(部屋の大きさは機種に合った広さとする。)
室内設定温度:27℃(冷房)、20℃(暖房)
使い方: 6/2~9/21日の期間中、毎日6:00-24:00まで冷房を入れる。10/28~4/14日の期間中、毎日6:00-24:00まで暖房を入れる。



6/2~9/21日の期間中での東京の気温は次のように決めて計算しています。 jis-hour-01.PNG

時間を合計すると1430時間です。期間中のエアコン稼働時間は110日、18時間/日ですから1980時間のはずです。残りの550時間は23℃以下で冷房の必要がなかったと思われます。ちなみに、想定している木造住宅は外気温が23℃の時に冷房負荷が0となる家です。
暖房期間でも同様に以下の表のようになります。

jis-hour-02.PNG

東京を基準にして測っていますので、札幌や沖縄では条件が大きく変わります。(財)省エネルギーセンター発行のパンフレット掲載の地域別補正値は次のようになっています。エコストプラスで比較検討される際にも、この補正値を掛け合わせてみることをお奨めします。


冷房専用機 冷暖兼用機(通年)
那 覇 2.2 0.6
鹿児島 1.4 1.0
熊 本 1.6 1.2
福 岡 1.5 1.1
高 知 1.3 1.1
高 松 1.2 1.2
広 島 1.0 1.2
米 子 0.9 1.3
大 阪 1.6 1.2
名古屋 1.2 1.3
静 岡 0.9 0.8
富 山 0.7 1.5
松 本 0.4 2.0
前 橋 0.8 1.4
新 潟 0.7 1.5
仙 台 0.4 1.6
秋 田 0.4 1.9
盛 岡 0.4 2.3
札 幌 0.1 3.1
東 京 1.0 1.0

地域差はこの係数を掛け合わせるとしても、特に気になるのは、使用時間数ではないでしょうか? また、冷暖房用エアコンであっても冬はストーブなどの他の器具を主に使うという人も少なくないはずです。

この点で、先日のニュースの通り、計測の前提条件が過大ではないかという指摘が挙がりました
調査の結果として、前提条件が実情に合っていないということです。

現行では例え過大な使用時間が前提であったとしても、同じ条件で各メーカーが出している製品表示の年間電気代に対して、自分自身の使用時間や使い方の違いを自分なりに工夫して、割り増して考えたり、何割か減らして考える割り切りが必要かと思います。

そういった意味でも、「どんな前提で」という点、「もしもこういう使い方であれば、、、」というストーリー立てを社会的にも重点的に語たり、調べていく必要を感じます。エコストプラスでもサイト内での用語解説を充実させていくつもりで準備中です。もう少しお待ち下さい。

別の側面としては、2010年の夏は東京でも35℃を超える日が何日もありました。夜は毎日エアコンをつけっぱなしにしないと寝むれないご家庭も多かったでしょう。一見すると、18時間/日もエアコンを使うという前提条件には「?」がつくかもしれませんが、一方で実際はJIS基準よりも外気温が高い毎日のような気もします。場合によっては冷房負荷を割りまして考える必要がある年もあるのかもしれません。

このように、各メーカーから発表される年間電気代というのは、「IF」を前提とした物差しです。使い方によっては表示の金額よりもお金が掛からないかもしれず、一方でそれ以上にお金が掛かる可能性もあります。しかしながら、製品を比べる上で同じ条件での性能を測る一つの貴重な物差しであることは間違いありません。

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このページは、としが2010年8月20日 17:00に書いたブログ記事です。

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