冷蔵庫の年間電気代表示を検証する。
冷蔵庫の年間電気代とは、JIS C 9801:2006に基づき算出された「消費電力量(kWh/年)」に「新電力料金目安単価の22(円/kWh)」を乗じ、有効数字3桁(10円未満は四捨五入)で表示したものです。
年間電気代(円/年)= 期間消費電力量(kWh/年)×22(円/kWh)
(以下は、エコストプラススタッフによる分析です)
年間電気代とは、一年間に冷蔵庫を使った時にかかる電気代を表します。意味は字の通りですが、どういう条件で計算しているのかが問題となります。
まず、電気代の単価が1kWhあたり22円というのは、電力会社にも依りますが、第3段階での単価とほぼ同じです。(社)全国家庭電気製品公正取引協議会という所で定義した電力料金目安単価なのでこれで良いと思います。(勿論、電力会社からの請求には、基本料金、燃料費調整額、消費税がさらに加わります。)
消費電力量についてですが、冷蔵庫の設置場所や使い方(詰め込み方)は人によって様々です。そもそも、JISで定める計測方法が2006年に現状により合わせた方法へと改訂されたのも、
「現状と合っていない!」
という指摘があったからでした。
この改訂後の計測方法についても、まだ実情から遠いという指摘もあります。
JIS C 9801:2006では、冷蔵庫をどのように設置するか、室温は何度かというのが定められています。他にも、内容物の入れ方とか、ドアの開閉の回数とか開閉方法などの測定時の決め事が細かに定められています。
2006年の改訂前と後で変わった条件として、真っ先に挙げられるのは、冷蔵庫の置き方でしょう。以前は、引っ越し直後とかならあり得るかなっというほど壁と冷蔵庫の間を空けて測っていましたが、新方式では、5cmの隙間を空けて測っています。
5cmしか隙間がないというのは、よりリアルなかんじがします。逆に言うと、冷蔵庫の周囲が熱を持ってしまうとかなり効率に影響を与えるのは確かなようです。
もしも、ご家庭の冷蔵庫置場に5cmの隙間がなかったら? もしも冷蔵庫の周りに何も置いていなかったら?
このように前提が変わってしまうと、消費電力量の表示の値はかなり変わってしまうでしょう。
また、試験での冷蔵庫の開閉回数は、個人的には多くないか??と思います。
開閉回数が多ければ、冷気が逃げてしまって、冷やし直しになりますから効率は下がります。
このように、冷蔵庫の年間消費電力量とそれに比例する年間電気代というのはかなりの部分、使い方や置場に依存するので、一つの指標として見たほうが良いでしょう。
また、ご自宅の製品と新製品を比べる時には、2006年を境として、そもそも計測方法が変わっていることに注意が必要です。物差しが違う訳ですから、正確に比較はできません。この点は絶対に留意しておくべきでしょう。
いういった点を考えると、冷蔵庫に関しては他の指標をより重視して、比較検討をしたほうが良いと思います。
次回以降、省エネ基準達成率や多段階評価(星の数)などが、果たして分かりやすい検討材料となるのかをアップしてゆきたいと思います。
最後に簡単に計測条件を書いておきます。
■冷蔵庫の年間消費電力量の測定条件
・周囲の温度:
30℃を180日間、15℃を185日間とする
・設置場所:
側面の2面に5cmの隙間、背面は割りとピタっと壁がある置場
・冷蔵庫内の温度:
冷蔵室4℃、冷凍室-18℃(別に細かな条件もあります。)
・ドア開閉回数:
冷蔵室 35回/日、冷凍室 8回/日
・その他: -冷蔵庫内に決められたペットボトルを負荷として途中で投入。
-自動製氷機能のある場合は作動させる。
-自動霜取り機能がある場合は作動後に時間をおいてから計測する。
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